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 世界の鳥インフルエンザ ニュース 

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海外ニュース鳥及び新型インフルエンザ海外直近情報集
鳥インフル拡大中→個人および家庭での感染対策ガイドライン(厚労省)
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2008年
2月29日
新型インフル、国内発生時は在宅医療で…WHO地域事務局長
世界保健機関(WHO)の尾身茂・西太平洋地域事務局長は29日、新型インフルエンザ対策の与党プロジェクトチーム(座長・川崎二郎元厚労相)の会合で講演し、新型インフル患者が、国内で発生した時は患者や感染が疑われる人を自宅待機させ、在宅医療で対応すべきだとの認識を示した。

 国は、国内で数十人規模の患者が発生した場合、医療機関に設置した専用外来で患者を診察し、感染拡大を防ぐ方針を示している。だが、尾身氏は、この方針に対し「病院は患者が集まる最大の感染源」とし、来院を重症患者に限るべきだとした。在宅医療を行う際は、「事前に誰が患者宅を訪れるのか調整が必要」と述べた。予防と重症化を防ぐ効果があるとされる抗インフルエンザ薬とワクチンは、「必要だが、十分ではない。大事なのは検疫や学校閉鎖で(患者との)接触をどれだけ防げるかだ」と強調し、対策の柱に水際対策と隔離を据えるべきだとの認識を示した。

読売新聞
2008年
2月29日
国連、インドの鳥インフルエンザ対策を称える
〈ニューヨーク〉 インド東部ウェストベンガル州で猛威を振るっていた「史上最悪」の鳥インフルエンザの流行に対し、インド政府や州政府が「迅速かつ総合的」な対応を行ったことを国連が称えた。
国連食糧農業機関(FAO)のモヒンダール・オベロイ獣医師は、鳥インフルエンザの被害地域での調査を終えて帰国後、「このイニシアティブが、ウェストベンガル州の養鶏業者の多い地区で即座に実践されたことが、被害拡大を食い止める決定打となった」と語った。

現在のところ、2月2日以降新たな感染は報告されていない。

また、FAOのジョセフ・ドメネク主任獣医師は、「まだ終息したとは言い切れず、新しい感染が発生する可能性もある。引き続き対策を行い、危険性の高い地域の監視・調査活動を続けていかなければならない」と語り、「ウィルスは家畜処理や感染地域の消毒後も残る可能性がある。さらに他の国や地域から新たなウィルスが侵入することも考えられる」と語った。

また、国民の意識を高めるキャンペーンや、感染地域への移動規制、補償金の支払い、動物局と健康局の協力などが感染拡大を止めた大きな要因となったと語った。

(PTI)

Voice of India
2008年
2月29日
患者5000〜1万人を想定 新型インフルエンザで対策会議
第2回八重山福祉保健所管内健康危機管理対策連絡協議会が28日午後、八重山支庁で開かれ、感染拡大のおそれが懸念されている新型インフルエンザ対策について話し合った。同保健所は、新型インフルエンザが八重山で大流行する事態になった場合には、他府県でも大流行しているおそれが高いため、「外部からの応援は来ない。八重山は八重山で守らなければならない」と呼び掛け、大流行への備えの重要性を強調した。
 3市町や八重山病院、警察、海上保安庁、医療・福祉の関係団体などから20人余りが出席した。

同保健所は八重山地域で新型インフルエンザが大流行した場合の影響について▽患者数=5000―1万人▽入院患者数=1日最大39人▽死亡者数=72―269人との想定を提示し、八重山圏域新型インフルエンザ行動計画を策定しているとの説明を行った。
 また、去年5月に石垣市内で麻疹(ましん)の患者が発生したケースでは、医療機関に受診してから保健所側に連絡が来るまでに3日間かかり、患者と接触した人が約90人にのぼったために調査が困難になった経緯を説明したうえで、「1日の遅れで調査が困難になる」として、新型インフルエンザの疑いのある段階で情報提供するよう呼び掛けた。
 市町村レベルの対策としては、独居家庭など社会的弱者の把握や食糧などの配達の準備を示した。個人や家庭レベルでは、咳(せき)やくしゃみが出そうな時にはティッシュペーパーで口や鼻を覆う「咳エチケット」などを呼び掛けた。
 地震など大規模災害が起きた場合の医療機関の受け入れ体制についても協議した。

八重山新聞
2008年
2月29日
新型インフル防げ 中部空港で訓練
新型インフルエンザの患者発生を想定し、機内で検査の訓練をする検疫所の医師ら(中部国際空港で) 世界的な大流行が懸念される新型インフルエンザの発生に備えた大規模訓練が28日、中部国際空港(愛知県常滑市)で、航空機を使用して行われた。厚生労働省中部空港検疫所支所、愛知県警、医療機関などから約60人が参加した。患者2人が見つかったとの想定で、防護服の医師らが機内で簡易サーモグラフィーで乗客の発熱を確認。患者のせきを吸った乗客を機内に留め、他の乗客を誘導する手順などを確認した。

 世界保健機関(WHO)によると、鳥インフルエンザウイルス(H5N1)の人への感染は世界14か国に広がり、これが変異した新型インフルエンザが流行すると、厚労省は死者は最大64万人に上ると試算している。流行した場合は、国際線の着陸を成田、中部、関西、福岡の4空港に限定する方針だ。

 参加者からは「実際に起きた場合、機内はパニックに陥らないか」との声があがった。三木和彦・検疫所支所長は「帰宅を急ぐ乗客にどう理解を求めるかは大きな課題」と話した。

2008年2月29日 読売新聞
2008年
2月28日
新型インフルエンザ:1人が感染したら、11日目は3218人に
高病原性鳥インフルエンザ(新型インフルエンザ)について国立感染症研究所は28日までに、本島南部で1人目の感染者が発生した場合、11日目には3218人に感染し、高熱などの有症者は2759人に上ると想定していることが分かった。感染者発生後に爆発的な勢いで広がるため、自治体や保健所、医療機関での入念な対策が急務となっている。27日に那覇市医師会館で開かれた新型インフルエンザについての講演会で同研究所の大日康文主任研究官が明らかにした。

 大日研究官は新型インフルエンザ感染者の約半数が3−6日の間に発症することを踏まえ、県内で人口が集中する本島中南部の感染拡大の想定を発表。感染者数は1人目の発見から3日目で8人に増えるが、その時点で有症者は最初の1人だけで、1週間後には感染者492人、有症者168人に拡大。11日目には感染者3218人、有症者2759人に上ると説明した。

 その上で感染者が出た場合、拡大防止には「外出自粛が非常に効果的」と強調した。

(琉球新報)
2008年
2月28日
オナガガモ13羽死ぬ 最上川河口、鳥インフルエンザ陰性
酒田市の最上川スワンパークで28日、水面に浮いた状態で死んでいるオナガガモ13羽が見つかった。通報を受け、県と同市の担当者が確認。県中央家畜保健衛生所(山形市)で鳥インフルエンザ感染の有無を調べる簡易検査を行ったところ、すべて陰性だった。引き続き詳しい検査を行う方針だ。最終結果は3月6日に判明する見込み。

 酒田市では同日、市高病原性鳥インフルエンザ警戒本部(本部長・中村護副市長)を設置。県の最終結果が確定するまで、スワンパークへの立ち入り制限を行うことにした。

 同日午前9時半ごろ、スワンパークで野鳥の世話に当たる愛護団体のメンバーが岸辺で死んでいるオナガガモを見つけた。連絡を受け、県庄内総合支庁と同市の担当者8人が確認した。その後、同衛生所に運んで鳥インフルエンザ感染の有無を検査するため、簡易検査として気管などを調べたが、ウイルスは検出されなかった。簡易検査では、微量のウイルスを確認できないため、引き続き詳しい検査を行うという。
山形新聞
2008年
2月28日
新型インフルエンザ2次感染防げ! 小樽港などで検疫措置訓練
小樽検疫所と市立小樽第二病院、道立中央水産試験場(余市)は二十七日、人から人に感染する新型インフルエンザの二次感染を防止する「検疫感染症措置訓練」を小樽港と同病院で行い、約三十人が参加した。

 海外から小樽港に入港した貨物船の乗組員男性が新型インフルエンザに感染した疑いがあると想定。防護服を着た小樽検疫所の医師らが貨物船に見立てた道立中央水試の試験調査船「おやしお丸」に乗り込み、男性の体温や血圧を測り、問診した。

 感染の疑いがある男性を演じた同検疫所の職員は船室で「現地で知人のお見舞いに病院に行った後、だるく、熱っぽくなった」「せきとたん、鼻水が出て息苦しい」などと説明。医師は「症状と接触歴から、新型インフルエンザに感染した疑いがある」と告げ、のどの粘膜やつばなどの検体を採取した。検体は同検疫所へ、男性は第二種感染症指定医療機関の市立小樽第二病院へ、それぞれ送った。

 新型インフルエンザは、鳥インフルエンザが変異し、発生するとされ、世界的大流行が懸念されている。(平田康人)

北海道新聞
2008年
2月28日
新型インフル 12病院859床で入院可 県、発生備え体制強化要請へ/滋賀県
県は27日の県議会一般質問で、発生が懸念されている新型インフルエンザの患者を受け入れ可能な県内の病院が12か所、計859床あることを明らかにした。大流行時には県内で1日に最大1080人の入院患者が発生すると推定しており、馬淵義博・県健康福祉部長は、病床数をさらに増やすよう県内病院に協力を求める考えを示した。

 大流行時に県内で治療が必要な感染者は26万7500人に上ると推定される。県は現在、重症化を抑える抗インフルエンザウイルス薬「タミフル」を11万2000人分備蓄しており、国の備蓄分からの供給など含め、馬淵部長は「必要数は確保できると考えている」と説明した。

 また、嘉田知事は大流行時に、医療関係者や警察、消防署員など社会機能を維持する人を対象にした備蓄ワクチンを接種する具体的手順などを盛り込んだマニュアルを早急に整備する方針を明らかにした。

 <新型インフルエンザ> 鳥インフルエンザウイルスが人から人へ感染するように構造が変化して発生する。現在、発生は確認されていないものの、インドネシアで鳥インフルエンザの感染者が増加していることなどから、発生への警戒感が世界中で強まっている。厚生労働省の試算では、医療機関を受診する患者は国内で最大2500万人で、64万人が死亡するという。

読売新聞
2008年
2月27日
血液製剤の病原体、不活化技術を導入へ 厚労省
厚生労働省は27日、血漿(けっしょう)や血小板など輸血用血液製剤の製造時に、病原体の感染力をなくす不活化技術を導入する方針を固めた。現在はエイズや肝炎のウイルスなどを検出する検査を行っているが、検査をすり抜ける可能性がある。今は検査していない鳥インフルエンザやデング熱など危険な感染症を防ぐ狙いもある。

 同日の薬事分科会血液事業部会の委員会に示された。不活化技術は、薬剤と光を用いて病原体の遺伝子を破壊する。海外ではドイツやフランスなどヨーロッパを中心に導入されている。

 厚労省は夏までに報告書をまとめる予定。実際に導入するには、治験のほか、血液製剤を製造する日本赤十字社との調整が必要で、少なくとも3〜4年かかるという。

 一方、委員会では、薬剤について安全性の検証が必要などの指摘も相次ぎ、「導入はもっと慎重にすべきだ」との声も出た。

朝日新聞
2008年
2月27日
【香港】《安全》肺炎検査を強化、鳥インフル患者死亡で
 広東省汕尾市で鳥インフルエンザ(H5N1型)とみられる症状で女性が25日午前、死亡したことを受け、香港政府は同日、6カ月以内に広東省に滞在し、肺炎を発病した患者に対し、鳥インフルエンザ検査を義務づけると発表した。今後4週間継続する。

 26日付文匯報によると、中国本土では今回を合わせ過去3カ月で鳥インフルエンザとみられる患者計4人が死亡。発生地域が◇江蘇省(24歳男性、12月2日死亡)◇湖南省(22歳男性、1月24日死亡)◇広西チワン族自治区(41歳男性、2月20日死亡)――と南下、香港に近づいてきていた。25日に香港と隣接する広東省で死者が出たことから措置に踏み切ったもようだ。
 
 同紙によると汕尾市には香港へニワトリを供給する登録養鶏場がないため、香港への鶏肉の供給に影響はないとしている。<香港>

NNA
2008年
2月27日
公民館で新型インフル診療、県が対策行動計画改定/秋田県
県民29万3957人が感染し、1325人が死亡――。新型インフルエンザによる健康被害をこう試算する県は「対策行動計画」を、約1年ぶりに改定した。地域に感染が疑われる患者を専用に診療する「発熱外来」を新設するなど具体的な内容を盛り込んだ。しかし、深刻な医師不足の現状下で十分に対応できるのか。関係者には不安が広がっている。

(鈴木幸大)

 県は2005年12月、行動計画の第1版を作成。厚生労働省のガイドラインに基づき改定を重ね、08年1月下旬、最新となる第5版をまとめた。

 第5版では、新たに新型インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)に備えて、電気や水道などを確保できるように、ライフライン関連事業者に対応マニュアルの作成を要請。医療機関には、受け入れ可能な患者数や確保できる病床数を試算するよう求めている。

 さらに、病院内で一般の病気の人が、新型インフルエンザ患者と接触して感染しないように、地域の公民館やコミュニティーセンターなどの公共施設に新型インフルエンザの感染が疑われる患者を専門に診る「発熱外来」を新設。設置数は地域の患者数に応じて決めるが、県内を8区域に分けた2次医療圏ごとに2か所ずつ、秋田市に4か所の計20か所を設置する考えだ。

 秋田市では秋田赤十字、市立秋田総合、秋田組合総合、中通総合の4病院が、医師、看護師、薬剤師を発熱外来に派遣し、診察する。しかし、市内の総合病院に勤務する内科医(52)は「患者数がどれほどになるか見当もつかず4か所で十分なのか、患者に対応できるだけの医師が確保できるのかまったく分からない」と不安を漏らす。

 一方、昨年12月に発熱外来を行動計画に盛り込んだ大分県は、県医師会などの協力で中学校区ごとに計214か所設置することとした。同県健康対策課は「患者の移動距離を短くし、感染拡大のリスクを減らすことを考えた」と説明する。

 秋田県は新年度予算に、関連予算として、医療従事者が着用する防疫服400セットの購入費など569万円を計上。県健康推進課は、今後、県内全戸に情報提供し、新型インフルエンザの特徴や行動計画を周知したい考えだが、担当者は「県民に危機感を持って受けとめてもらわなければ意味がない。パンデミックが、いつくるか分からないだけにタイミングが大事」と対策の難しさを語る。

読売新聞
2008年
2月26日
<鳥インフル>今冬死亡者5人を出したH5N1型再び発生、ニワトリ24万羽を処分―貴州省遵義市
25日、農業部の公式HPによると、貴州省遵義市正安県で同月17日に、高病原性鳥インフルエンザと思われる症例が家畜間で発生していることが分かった。今冬、ヒトへの感染で5件、死亡例を出しているH5N1型ウィルスの亜型と判明。

(Record China)
2008年
2月26日
新型インフル想定し合同対応訓練 横手市、連携を確認
大流行すれば国内でも相当数の死者が出る恐れがある「新型インフルエンザ」の発生に備え、横手保健所は25日、関係機関と合同で対応訓練を実施した。同保健所や病院、消防などから約30人が参加。初動を担う職員の対応や感染症指定病院との連携などを確認した。

 訓練では、海外で小規模の感染が確認され、国内では発生していない状態の「フェーズ4A」を想定。感染流行地域の海外出張から戻った横手市内の男性が発熱と肺炎の症状を呈したため市内の診療所を受診し、新型インフルエンザ感染の疑いが強いと判断された?とのシナリオで行われた。

 訓練後の意見交換では、搬送自体は順調に進んだと評価する一方、「聞き取り調査の項目が多く、時間をかけるとほかの患者に感染する恐れもある」「検体を入れる容器が小さく、破損する可能性がある」など細かい指摘が出されていた。

秋田魁新報 
2008年
2月26日
鳥インフルエンザ 検体提供、半年ぶり再開 WHO ウイルス調査可能に 
インドネシア保健相 ファディラ・スパリ氏
鳥インフルエンザの死者数が世界で最も多いインドネシアで感染症対策を担当するファディラ・スパリ保健相は25日、日本経済新聞記者と会見し、世界保健機関(WHO)へのウイルス検体の提供を半年ぶりに再開したことを明らかにした。これによりWHOや製薬会社がウイルスの変異状況を詳しく調べることが可能になり、中断していたワクチン開発が再開される見通しとなった。
 インドネシアの感染死者は25日時点で105人と全世界の4割強を占める。しかし同国政府は「WHOに検体を無償で提供し、高額のワクチンを製薬会社から購入するのは不公平」として協力を拒否。昨年8月から検体提供を中止したため、国際社会から批判を浴びていた。
 スパリ保健相は検体提供を再開した理由として「WHOが不公正なメカニズムを見直す意向を示した」と説明。今後、製薬会社から従来より安価なワクチンの提供を受けられるとの見通しを示した。
 同保健相は人から人に感染する新型インフルエンザが国内で発生しかねないとの懸念について、「新型発生は誰にも予知ができないが、今のところ国内で人から人への感染が起きたという明確な証拠はない」と強調。「鳥からの感染死者も2007年は前年比で減少に転じており、急拡大しているとの認識はない」と語った。
 しかし国内での感染対策については「現場への責任がある州政府の対応は鈍い」と指摘。州政府の財政難が原因で、感染の疑いがある鶏の強制処分などが進んでいないことを認めた。同相は国際社会と協調して感染対策を強化する姿勢も示した。
(ジャカルタ=代慶達也)

日本経済新聞
2008年
2月26日
ベトナム北部で鳥インフルエンザ死者、51人目
ハノイ──ベトナム保健省は26日、同国北部の23歳女性教師が、高病原性鳥インフルエンザで死亡したと発表した。同国における死者は今年に入ってからは4人目で、2003年以来、計51人目となる。


亡くなった女性は、ハノイの北西約80キロのフート省出身。今月14日に発症し、ハノイの病院で手当てを受けたが、25日に死亡した。


フート省の保健当局によると、亡くなった女性が勤めていた学校の近郊では、ニワトリなど家きん類数百羽が死んでいたが、高病原性鳥インフルエンザの検査では陰性だったという。


しかし、女性はH5N1型ウイルスに感染していた。感染経路は不明で、現在調査中。


世界保健機関(WHO)によると、22日現在の鳥インフルエンザ感染者は、全世界で計366人、死者232人に達している。最も被害が大きいのは、インドネシアの感染者129人(うち死者105人)で、ベトナムが感染者104人(死者50人)と続いている。

CNN
2008年
2月26日
ベトナムで新たな鳥インフル死者、今年4人目
【2月26日 AFP】ベトナムの保健省は26日、同国北部出身の女性教師(23)が高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)に感染して死亡したと発表した。同国での鳥インフルエンザによる死者は計51人となった。今年に入ってからの死者は4人目。

 保健省の予防医療担当者によると、女性は検査の結果、H5N1ウイルスに陽性反応を示し、2日後の25日に死亡したという。

 ベトナム北部は最近、山頂に氷や雪が積もるなど異例の寒波に見舞われている。穀物や家畜への被害も出ており、インフルエンザなど呼吸器系疾患への感染リスクが高まっている。

(c)AFP
2008年
2月26日
貴州省で鳥インフルエンザ、家きん類が大量死
 農業部は25日、貴州省遵義市で17日、家きん類の大量死したため、国家鳥インフルエンザ参考実験室で調べたところ、高病原性のH5N1ウイルスの感染が確認されたと発表した。

  家きん類が大量死したのは遵義市正安県鳳儀鎮で3993羽が死亡し、23万8364羽を殺処分した。新たな感染は発生していないという。

  写真はモンゴル国から黄河流域に飛来した白鳥。早春になり渡り鳥の移動が始まると、鳥インフルエンザウイルスが運ばれる危険も高まる。(編集担当:如月隼人)

中国情報局ニュース
2008年
2月26日
広東省汕尾市で鳥インフルエンザ疑い例の女性が死亡
広東省衛生庁は25日昼、同省汕尾市海豊県の彭湃紀念病院で同日9時25分、鳥インフルエンザ感染疑い例の女性(44)が治療の甲斐なく死亡したと発表した。

 女性は四川省出身の出稼ぎ労働者で姓は張。16日に発熱、咳、痰、肺炎などの症状を示した。地元の診療所で受診したが好転せず、22日午前に彭湃紀念病院に転院。市衛生局は「原因不明の肺炎」と診断した。

 省衛生庁は報告を受けた当日の24日、2度にわたり専門家を派遣し、現地の医療スタッフと共に全力で治療に当たらせた。女性の病状は重く、治療の甲斐なく死亡した。

 調査の結果、女性は発症前に病死した家禽と接触していたことがわかった。省疾病予防抑制センターが女性の標本を検査した結果、鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)核酸が陽性、SARSコロナウイルス・抗体は陰性だった。

 省衛生庁によると、女性や病死した家禽と密接な接触があった人に対し厳密な医学観察を行ったが、これまでのところ、女性と密接な接触があった人に似た症状は現れていない。(編集NA)


 「人民網日本語版」
2008年
2月25日
中国、鳥インフルエンザの死者、今年3人目か
【2月25日 AFP】中国南部の広東(Guangdong)省で25日、高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)に感染したとみられる44歳の女性が死亡した。感染が正式に確認されれば、同国での鳥インフルエンザによる死者としては今年に入り3人目、2003年以降で20人目となる。

 広東省衛生局によると、死亡したのは同省に出稼ぎに来ていた女性で16日に発病し、発熱、せき、肺炎の症状が出ていた。他に鳥インフルエンザの感染が疑われる人はいないという。

 中国の衛生省はこの症例を確認しておらず、同省報道室はAFPの取材に対し情報がないと答えた。同省は鳥インフルエンザの感染確認について独自の検査を行っている。

 中国では今月20日に、南部の広西チワン族(Guangxi Zhuangzu)自治区で41歳の男性が鳥インフルエンザに感染して死亡、前月24日には中部の湖南(Hunan)省で22歳の男性が死亡していた。

 広東省に隣接する香港では、当局は、広東省から持ち込まれる家禽の検疫を強化する感染予防策を講じて対応しているが、過去行われたような家禽の持ち込み自体を禁止する措置は取られていない。
(c)AFP
2008年
2月25日
新型インフル発生前の接種検討 備蓄ワクチンで厚労省
厚労省は25日の衆院予算委員会での答弁で、新型インフルエンザの発生に備えて国が備蓄しているワクチンは、発生前に感染症指定医療機関の医療従事者や検疫所職員らに接種することを検討していると明らかにした。民主党の末松義規議員の質問に答えた。プレパンデミックワクチンと呼ばれるもので、現在流行している鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を基に製造、備蓄が進められている。

共同通信社
2008年
2月25日
新型インフルエンザ対策で連携/開成町で関係機関が会議
世界的に流行すれば国内でも最大六十四万人が死亡するといわれる新型インフルエンザなどについて、関係機関の連携や情報交換を図ろうと、開成町吉田島の足柄上合同庁舎で二十五日、関係機関会議が開かれた。市町のレベルでは、まだ対応策がほとんど進んでいない実態が浮き彫りになった。

 高病原性鳥インフルエンザ、新型インフルエンザについての同会議には県、市町の担当者、松田署、足柄消防、JAなど約四十人が参加した。

 県によると、鳥インフルエンザなどに備えた会議は従来、県の対策本部メンバーらで行われていたが、市町などを交えた会合は今回が初めて。

 会議では県足柄家畜保健衛生所や県足柄上保健福祉事務所の職員が鳥インフルエンザについての国内での対応例や、地元で発生した場合の対応などを紹介した。

 続いて、新型が発生した場合の対策を説明し、「初期の段階で感染を抑えることが最重要」と訴える一方、患者への対応や医師会との連携、ワクチンの確保など具体的な問題が山積している現状も明らかにした。

 ある市町の担当者は「新型などの発生には、庁内で横断的な対応が必要になるが、(中心となる)担当部署がまだ決まっていない」と発言。医療関係者も「病院のベッド数が決定的に足りず、発生すれば別の公共施設を充てる可能性がある」と取り組みの遅れを指摘した。

 また、発生時の関係機関の連携のあり方も問題となり、松田署の担当者は「連絡体制の整備をしてほしい」と訴えた。

 鳥インフルエンザは主に鳥との接触などを通して人に感染する。鳥インフルエンザが変異した新型は、抗体がないため人から人へと爆発的に感染し、パンデミック(世界的大流行)を引き起こすとされている。

神奈川新聞
2008年
2月25日
中国でH5N1型鳥インフルエンザ感染の疑いで女性死亡
[香港 25日 ロイター] 香港当局によると、中国南部の広東省で、病原性の高いH5N1型鳥インフルエンザに感染したとみられる44歳の女性が死亡した。

 新華社が香港当局者の発言として伝えたところによると、死亡したのは出稼ぎ労働者の女性で、家禽と接触していたという。

 香港の保健当局のスポークスマンは「この女性がきょう午前死亡したとの知らせを受け取った」と述べ、死因は確認できていないと付け加えた。

 中国では今月に入り、湖南省と広西チワン自治区でH5N1による死者が出ている。

ロイター
2008年
2月25日
広東省汕尾市で鳥インフルエンザ感染者SARSも陽性
報道によると、広東省汕尾市で16日発病した患者が22日にH5N1型の鳥インフルエンザとSARS陽性と診断された。患者は発病前に死んだ家禽類に接触したという。病状は回復していない。広東省衛生庁は厳重に警戒している。

エクスプロア広州
2008年
2月23日
【主張】事前対応ワクチン 早期接種の検討を始めよ
 「新型インフルエンザ」の本格的ワクチンを量産するには半年以上かかる。

 このため政府の対策の行動計画と指針では、どこかの国で「新型」が出現した場合、当面の措置として備蓄中の「プレパンデミック(世界的大流行前)ワクチン」を打ち始めるよう定めている。

 すでに政府は、45億円をかけて人に感染した鳥インフルエンザウイルス(H5N1タイプ)から1000万人分のプレパンデミックワクチンを作り、昨年3月以降、原液の状態で備蓄している。

 しかし、厚生労働省によれば、そのワクチンもあと2年ほどで効き目がなくなるという。しかも、原液をアンプル(小容器)に小分けするだけで最低2カ月を要し、投与して人体に免疫ができるまでには、さらに1カ月が必要だ。「新型」発生後の投与では遅すぎるとの専門家の指摘もあるほどだ。

 そこで提案したい。「新型」はいつ発生してもおかしくないのだから、プレパンデミックワクチンを現時点で打ち始めることを検討すべきではないか。専門家の間ではすでに議論されているし、スイスやフィンランドではその準備を進めている。「新型」の発生を待つまでもないだろう。

 いまから計画的に打てば、いざという時のパニックも避けられよう。指針に示された投与の順番(医療従事者や社会機能維持者らから優先的に接種)の問題点も具体的に把握できる。

 “丸腰”状態で空港や港で検疫に従事している職員にとっても最善の予防策になる。ワクチンは人に投与する臨床試験(治験)も行い、基本的な安全性は確認されている。追加の1000万人分のワクチンも製造中である。

 インフルエンザウイルスの治療薬(タミフルやリレンザ)には、それが効かない耐性ウイルスの問題がどうしても残る。その点、人体に免疫を作って感染を予防するワクチンにはそうした問題はない。

 ただ、インフルエンザワクチンの場合、できた免疫は半年しか持たない。「新型」がH5N1以外のタイプだと効果はない。すべての国民に投与できる体制もまだ整っていない。これらの問題点も踏まえながら、投与を始めるよう検討を進めてほしい。

産経新聞
2008年
2月23日
新型インフル 被害抑える備え万全に
 大流行になれば、多数の死者が出るとされる新型インフルエンザ。アジアで鳥インフルエンザ(H5N1型)の猛威が収まる気配はなく、いつ変異し、発生してもおかしくないといわれている。

 政府は迅速に対応するため、感染症法と検疫法の改正案を国会へ提出した。与党もプロジェクトチームをつくり、自衛隊の活用などさらなる対策を検討している。健康被害を最小限に抑えられるよう、万全の備えを急ぎたい。

 改正案では、発生が確認された直後から、患者の隔離や入院の勧告ができるようにする。エボラ出血熱やペストなど「一類感染症」に相当する措置だ。空港や港での入国チェックを厳しくし「感染の疑いがある人」も十日程度隔離する。

 初期段階で封じ込め、拡大を防ごうという狙いだろう。患者を早く囲い込めば、流行のスピードを抑え、冷静に対応する時間を稼げるかもしれない。しかし、隔離される当人や家族にはショックだろう。混乱を防ぐためにも、事前に国民への啓発が不可欠だ。

 新型インフルエンザは、ほとんどの人が免疫を持たないため、大流行の懸念がある。政府の推計では約三千二百万人に感染し、最大で約六十四万人が死亡する。だが、医療体制や治療薬などの準備も、まだ十分とはいえない。

 政府の行動計画などによると、流行の初めは、感染症指定医療機関などに収容する。患者が増えてきたら、都道府県が一般の病院などに発熱外来を設け、重症者だけを入院させる。

 広島県でも先月、保健所管内ごとに医師会や市町が発熱外来の協議を始めた。ただどこに設けるか、誰が診るかなど詰めるには時間がかかりそうだという。ピーク時に三百五十人もの医師が必要とされる。医師らに不安もあろう。国や県は防護体制を整え、不安を取り除く必要がある。

 ワクチンは新型ウイルスを採取して作るため、半年はかかる。それまでは治療薬としてタミフルなどでしのぐしかない。国の想定する備蓄は約三千万人分。患者に行き渡るか疑問の声も出ている。

 個人の準備も重要だ。外出を控えることが、最も効果的な予防策とされる。家庭でも災害時と同様、二週間分の食料や日用品の備えを頭に入れておこう。

 社会がパニックに陥らない工夫も必要だ。心の準備をするとともに、地域ごとで万が一を想定した訓練も求められる。

中國新聞
2008年
2月22日
新型インフルへ訓練
《中部空港に陰圧式テント》
 新型インフルエンザに備えようと、中部国際空港で21日、厚生労働省と東海北陸地方の6県10市などによる合同訓練があった。海外からの帰国便で新型インフルエンザの発症が疑われる乗客が見つかったとの想定で、自治体間の連絡体制を確認した。感染拡大を防ぐため、患者を一時収容する「陰圧式テント」も初めて設置した=写真。
 合同訓練には約70人が参加した。テントは県が昨年3月に購入した2張り(計1300万円)のうちの一つ。組み立て式で、大きさは約6メートル四方、高さ約3メートル。内部の気圧を低くして、ウイルスなどが外部に漏れないようにする仕組み。フィルターを通じて排気する。県職員ら10人が、約10分かけて完成した。参加者はテント製造会社の説明に耳を傾けていた。
 新型インフルエンザは、鳥インフルエンザが変異して人から人へ感染し、世界的な流行を引き起こす可能性があると懸念されている。

朝日新聞
2008年
2月22日
広西チワン族自治区で鳥インフルエンザによる死者発生
衛生部の発表によると、今月20日、広西チワン族自治区で鳥インフルエンザによる死者が発生した。
 死亡したのは同地区に住む41歳の男性で、今月12日に発病した後、14日に症状が悪化して入院、18日には危篤状態に陥り、20日早朝に死亡した模様。この患者からは毒性の強いH5N1型のウイルスが検出されている。
 この男性は発病前、鳥インフルエンザで死んだ家禽に接触していたということだ。

エクスプロア天津
2008年
2月22日
製薬協、新型インフルエンザ対策でガイダンス
日本製薬工業協会は新型インフルエンザのパンデミック(大流行)の緊急事態に備えて、医薬品の継続供給可能とするための行動指針および対応策をガイダンスとして策定した。20日に大阪市内で開催した理事会で報告するとともに、会員企業に対してガイダンスを参考に対応策の策定を要請した。策定したのは「製薬企業における業務継続のための新型インフルエンザ対策ガイダンス」。
 

化学工業日報
2008年
2月22日
地球温暖化が新種伝染病の流行を加速、米研究報告 発信地:パリ/フランス
【2月22日 AFP】野生動物が保菌するウイルスの変異と、抗生物質に耐性を持つバクテリアの出現により、過去数十年間に致死的な新種の伝染病が多数発生したとする研究報告が、英科学誌「ネイチャー(Nature)」に発表された。 

 4つの研究機関から成る研究グループは、1940年以後に確認された新種の伝染病の発生地点335か所を3年間にわたり追跡調査し、世界初の伝染病地図を作成した。新種の伝染病には、世界で6500万人以上が感染したエイズ(HIV/AIDS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、高病原性鳥インフルエンザA(H5N1)が含まれる。

 その結果、新種の伝染病の発生件数は過去50年で約4倍に増えたことが判明した。うち60%は動物からヒトに感染する動物原性感染症で、その大半は哺乳類が感染源だった。たとえば、エイズはチンパンジー、SARSは中国に生息するコウモリ、エボラ出血熱はアフリカに生息するオオコウモリが、それぞれのウイルスを最初に保菌していたとされている。

 そうした新種の病原体がヒトに感染した場合、免疫がないために致命的となる。研究によると、人口の増加が顕著な上に野生動物に触れる機会が多い熱帯の国々で、今後こうした新種伝染病が大流行する可能性が極めて高いという。
 
 研究に参加したコロンビア大学(Columbia University)関係機関の研究者は、新種の伝染病が頻発する要因を「野生動物の生息地域が狭まり、人口が増え続けることで、両者が接触する機会が増えた」と説明。さらに、新種の動物原性感染症が発生する可能性が極めて高い地域を、家畜中心の生活を送る東アジア、インド亜大陸、アフリカのニジェールデルタ、アフリカのグレート・レイク地域と予測する。

 また、新種の伝染病ウイルスの20%以上は、超薬剤耐性結核菌(XDR-TB)、クロロキン耐性を持つマラリアなどのように、薬剤耐性を持っており、こうした傾向は特に西欧や北米で顕著だ。

 1980年代に新種の伝染病が急増したのは、エイズの流行に起因した可能性が高いと考えられている。

 1990年代のエルニーニョに伴う蚊の異常発生も病気の蔓延を招いたと考えられ、前年開催された「国連の気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change、IPCC)」でも、地球温暖化がもたらす伝染病の拡大への脅威が指摘されている。

(c)AFP

2008年
2月22日
新型インフルエンザ流行に備え
中部空港で100人が訓練
陰圧式テントの説明を聞く自治体職員 世界的な大流行が懸念されている新型インフルエンザに備えた訓練が21日、東海北陸の自治体関係者ら約100人が参加して、常滑市の中部国際空港で行われた。

 新型インフルエンザは、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)が変異し、人から人に容易にうつる感染症。2003年以降、鳥インフルエンザは14か国で361例が発生し、227人が死亡しているが、新型インフルエンザが発生した場合、海外渡航者が多い空港からウイルスが入り、国内では最悪64万人の死者が出ると予測されている。

 訓練は厚生労働省東海北陸厚生局の呼びかけで、机上連絡訓練や、汚染された空気を外に出さない陰圧式テントの組み立てなどが行われた。

 テントは36平方メートルあり、ベッド6床が入る。発熱患者が大勢出た場合、テント内で割り振りが行われるが、細部はまだ詰まっていないという。参加者らは真剣にメモをとっていた。

読売新聞
2008年
2月21日
鳥インフル死者19人に=中国
 【北京21日時事】中国衛生省は21日、広西チワン族自治区南寧市で20日に死亡した男性(41)が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染していたと発表した。男性は発病前に、病死した家禽(かきん)と接触していたという。中国での鳥インフルエンザによる死者は19人目。

時事通信社
2008年
2月21日
【ベトナム・インドシナ】鳥インフル感染、7省に拡大
これまでに北部タイグエン省とクアンニン省、中部クアンビン省、南部ロンアン省で家きんへの感染が確認されている鳥インフルエンザは、過去数日間、北部3省で新たな発生が報告され、全国の感染地域は計7省となった。19日付VNエクスプレスが報じた。
 
 新たに鳥インフルが発生したのは、ハイズオン省とナムディン省、トゥエンクアン省で、それぞれ家きんが640羽、1,765羽、90羽死んでいる。いずれもワクチンの予防接種は行っていなかったという。
 
 農業地方開発省獣医局によると、このほかに北部バクニン省やバクザン省、ハタイ省などから、「(原因不明だが)家きんが死んでいる」との通報が同局に寄せられている。
 
 これを受け農業地方開発省のブイ・バー・ボン次官は19日、3月中に流行が急拡大する恐れがあるとして、全国の各省市に対し緊急事態を通達した。<ベトナム>

NNA
2008年
2月21日
新興感染症の6割が動物起源=過去約60年の335件調査−英米チーム
世界の新興感染症の出現件数は過去約60年で約4倍に増え、6割が動物に起源があることが分かった。英ロンドン動物学会や米コロンビア大などの研究チームが出現状況を地図にまとめ、21日付の英科学誌ネイチャーに発表した。毒性の強いH5N1型鳥インフルエンザや新型肺炎(SARS)など、開発途上国での出現が目立っており、早急に監視体制を強化する必要があるという。
 研究チームは、1940年から2004年までに医学文献に掲載された335件の新興感染症の出現報告を分析した。その結果、病原体別では細菌・リケッチアが54%と、ウイルスやプリオンたんぱくの25%を大きく上回った。全体の60%の起源が動物で、このうち72%がSARSの感染源となった中国に生息するコウモリのように野生動物だった。過去最悪は、アフリカのチンパンジーからうつったとみられるエイズだった。
 野生動物からの新興感染症は開発途上国が多いが、先進国でも病院で抗生物質の多用による耐性菌が出現したり、生野菜などの食材生産施設で病原性大腸菌の変異株が発生したりしている。 

時事通信
2008年
2月21日
県、新型インフル対策本部/群馬県
入院6700人死者1700人想定
 東南アジアを中心に鳥インフルエンザの人への感染事例が増え、新型インフルエンザの出現が警戒されていることを受け、県は20日、大沢知事を本部長とする「新型インフルエンザ対策本部」を設置した。各市町村にも対策本部の設置を働きかける。

 対策本部は副知事や県警本部長、県教育長、各部長など14人で構成。発生した時にメンバーを緊急招集して関係機関に対応を指示するほか、各課長で作る幹事会を随時開いて発生に備えた対策を検討する。

 県は今年度から「新型インフルエンザ対策室」を設置し、発生時の患者の受け入れ体制など、医療機関の対応についてのマニュアルを策定している。今後は対策本部幹事会で、発生時の学校の休校や外出制限の手続きなど、より幅広い対応について協議する。

 新型インフルエンザは10〜40年周期で出現するとされる。「香港かぜ」が1968年に大流行してから約40年が経過しており、「いつ起きてもおかしくない状況」(県保健予防課)という。発生した場合、マニュアルでは県内の入院患者は6700人、死者は1700人に上ると想定されている。

読売新聞
2008年
2月20日
新型インフル流行の場合、国際便4空港に限定し検疫へ
厚生労働省は20日、新型インフルエンザの流行が起きた時に、航空機による海外からの国内への侵入を防ぐため、発生地から来る国際便の着陸を成田、中部、関西、福岡の4空港に限定し、入国者の検疫を行う方針を明らかにした。民主党の新型インフルエンザプロジェクトチームの初会合で報告した。

 厚労省は航空会社に対して運航自粛を要請することも検討しているが、通商上の影響も考慮し、検疫体制の強化との二段構えで臨む方針だ。

 厚労省によると、航空機による入国者は年間約3000万人に上り、4空港の利用者が9割を占める。このため、全国27空港に設置された検疫所の職員を4空港に集約し、国内での感染拡大を阻止する構え。船舶による入国者は航空機の約1割弱だが、発生時は空港と同じく横浜、神戸、関門(北九州・下関)の3港に限るという。

 厚労省は、感染の疑いがある入国者の増加に備え、医療機関だけでなくホテル・旅館など宿泊施設に収容させる方針を打ち出しており、感染症法と検疫法の改正案を今国会に提出している。

読売新聞
2008年
2月20日
新型インフル隔離病床わずか12
県が初の対策会議 各部局で指針作成へ/鳥取県
 世界的に爆発的な流行の懸念が高まっている新型インフルエンザについて、県の初めての対策会議が19日、県庁で開かれた。感染症の拡大を防ぐ隔離病床が県内に12床しかなく、治療薬「タミフル」の備蓄も10万人分しかない現状が報告され、県は2006年1月に策定した新型インフルエンザ対応の行動計画を3月末までに改正し、保健所や病院などを交えた患者搬送や受け入れの訓練、各部局ごとの行動マニュアルの作成を急ぐ。

 平井知事や県幹部約20人が出席。福祉保健部が、東南アジアを中心に200人以上が鳥インフルエンザで死亡している現状と、国内で大流行が始まった場合、県内でも人口の25%の約15万2500人が感染し、3050〜810人が死亡する推計を報告した。

 県によると、流行の初期段階では、隔離病棟を持つ県立中央(鳥取市)、県立厚生(倉吉市)、済生会境港総合(境港市)の3病院が対応するが、感染が拡大すれば入院患者は最高1日480人に達する見込み。他の病院のほか体育館など大型公共施設への収容も必要とされるが、受け入れの手順は定められていないという。

 県立中央病院(鳥取市)の杉本勇二・内科部長は「院内感染を防ぐには、1フロアを新型インフルエンザ専用として使うなどの対策が必要だ」と指摘した。

 また、福祉保健部は、新型インフルエンザの元になるとされる鳥インフルエンザウイルスから作ったワクチンを国が1000万人分備蓄していることを報告。ウイルスが別のタイプに変異した場合、対応するワクチンを作るには半年から1年を要するため、医療関係者、消防士、警察官らに優先的に投与する国の方針を説明した。

 今後、感染者の受け入れが可能な病院を増やすことや、感染防止策の普及を市町村と協力して進めることなどを確認した。

 平井知事は「マスクの着用や外出の自粛でも感染者を減少させることは可能という。県民向けにわかりやすい広報を行い、予防を徹底したい」と話した。

読売新聞
2008年
2月20日
新型インフルの新薬に有効か たんぱく質発見 ウイルス撃退増強
体内に侵入したウイルスを撃退するインターフェロンの分泌を増やすたんぱく質を、理化学研究所の研究チームがマウスで発見した。致死量のウイルスに感染したマウスに、このたんぱく質を活性化する物質を投与し、救命することにも成功した。同様のたんぱく質はヒトにもあると考えられ、新型インフルエンザなどに対抗する新薬の開発などにつながる成果だ。18日付の米科学アカデミー紀要に発表した。
 インターフェロンは、ウイルスや細菌に感染した時に細胞から分泌され、病原体の増殖などを抑える。
 理研免疫・アレルギー科学総合研究所の渡会浩志(わたらいひろし)上級研究員らは、インターフェロンを生産するマウスの細胞の細胞膜で、ウイルス感染時だけに現れるたんぱく質を発見し、PDC−TREMと名づけた。PDC−TREMの働きを弱めると、インターフェロンの生産量が10分の1に減ることを確認した。また、PDC−TREMを活性化する物質をマウスに投与したうえで、通常のマウスなら100%死ぬ量のヘルペスウイルスに感染させたところ、約8割は死ななかった。
 渡会さんは「インターフェロンの量を増やせれば、新しいウイルスに対しても感染初期には有効だ。インターフェロンが多すぎて起こると考えられている膠原(こうげん)病など自己免疫疾患の治療にもつながるのではないか」と話している。
【西川拓】

毎日新聞
2008年
2月19日
中国保健省、新たにH5N1型鳥インフルエンザ死者を確認
中国保健省は、18日ウェブサイトで、中部湖南省で22歳の中国人男性が、病原性の高いH5N1型鳥インフルエンザで死亡したと発表した。男性は、1月16日に発熱し、同月24日に死亡したという。

 その後この男性の細胞標本が政府の研究所に送付され、今月17日にH5N1型に感染していたことが確認された。

[北京 18日 ロイター] 
2008年
2月19日
新型インフルエンザ 県に対策本部 群馬
東南アジアなどを中心に高病原性の鳥インフルエンザが人に感染するなど、新型インフルエンザの脅威が強まっていることを受け、県は20日、大沢正明知事を本部長とする「新型インフルエンザ対策本部」を設置する。今後、各市町村にも対策本部の設置を働きかける方針。

 県保健予防課によると、本部会議は、新型インフルエンザが実際に発生した場合に開かれ、医療体制の整備など総合対策を検討する。また、各部局の担当課長による幹事会も設置し、予防策などを随時検討するという。

 県はすでに、感染防止策として、16万6000人分のインフルエンザ治療薬「タミフル」を備蓄するなどの対策を進めている。

 新型インフルエンザが発生すると、国内では最大64万人が死亡すると推定されており、県内でも約26万4000人が医療機関を受診し、1700人が死亡するとされる。

産経新聞
2008年
2月19日
ウイルス撃退タンパク発見 理化学研 新型インフルにも有効?
ウイルスの感染から体を守るために作られる「インターフェロン」を、体内で増産させるタンパク質を理化学研究所の渡会浩志上級研究員らのチームが発見、十九日、米科学アカデミー紀要電子版に発表した。

 チームは、マウスでこのタンパク質の働きを高め、感染したウイルスの撃退に成功。将来、人間に応用できれば、ワクチンが存在しない新型インフルエンザなどの有効な治療法開発につながる可能性もあるという。

 これまで、感染初期に大きな役割を果たす「樹状細胞」と呼ばれる免疫細胞で、ウイルスを認識するとインターフェロンが作られることは分かっていたが、詳しい仕組みは謎だった。

 チームは樹状細胞の表面で、ウイルス感染時にだけできるタンパク質「PDC−TREM」を発見。このタンパク質の働きを高めるとインターフェロンが増え、働きを抑えると減少することを突き止めた。

 マウスにタンパク質の働きを高める物質を投与した上でヘルペスウイルスに感染させると、投与しないマウスはすべて死んだが、投与したマウスは体内でインターフェロンが大量に作られウイルスを撃退、約八割が生き残った。

 逆にタンパク質の働きを抑える物質を投与したマウスは、投与しないマウスが死なない程度の弱いウイルスでも、すべて死んだという。

東京新聞
2008年
2月19日
新型インフルエンザ予防策 大幸薬品、主力は除菌剤
新型インフルエンザ流行の懸念が高まるなか、製薬会社が感染対策事業や新薬開発に力を入れている。日本で感染が拡大すれば、最大64万人の死者が出ると推定されており、予防関連の製品開発にも知恵をしぼっている。

 大幸薬品は昨年12月、「パンデミック(感染症の世界的大流行)衛生対策キット」(税込み10万5000円)を売り出した。除菌剤「クレベリン」のほかマスク、手袋、キャップなどのセットで、医療機関や自治体、企業に備蓄用として販売している。

 除菌剤は水道水などの殺菌・消毒に使われる低濃度の二酸化塩素が主成分。有害なウイルスや細菌を除去し、人の皮膚や粘膜にもやさしいのが特徴で、スプレータイプと、空気中にガスとして放出する芳香剤のようなゲル状タイプがある。

 今後は、空港や公共施設など大きな空間でも使えるよう、低濃度の二酸化塩素ガスを放出する空調機の製造販売を年内にも始める予定だ。

 新型インフルエンザの治療薬としては、スイスのロシュ社の内服薬「タミフル」と英グラクソ・スミスクライン社の吸入薬「リレンザ」がある。日本ではタミフルはロシュの子会社の中外製薬、リレンザはグラクソの日本法人が販売している。

 治療薬は海外メーカー製が主流だが、いま世界で注目を集めるのは国内メーカーの新薬。富士フイルムが買収を決めた富山化学工業(東京)が開発を進める、「T―705」だ。 既存薬と全く異なるタイプのため、タミフル、リレンザが効かない場合の治療薬として期待が集まっている。同社は「来シーズンまで臨床試験を重ね、実用化にこぎつけたい」としている。

朝日新聞
2008年
2月19日
湖南省で鳥インフルエンザ患者、すでに死亡
 中国衛生部は2月18日に、湖南省で鳥インフルエンザに感染した患者が出たことを明らかにした。この患者は、男性で22歳。湖南省永州市江華県在住。
 1月16日に発熱・頭痛などの症状がみられ、1月22日に地元の病院で治療したが好転せず、1月23日に県病院に転院、その後呼吸困難を併発して1月24日午後5時に死亡した。
 2月15日から湖南省疾病予防コントロールセンター・中国疾病予防コントロールセンターが患者の呼吸器の分泌物の検査を行って、H5N1型ウイルスの核酸陽性反応が確認された。

エクスプロア上海
2008年
2月18日
鳥インフルエンザ死者、105人目に インドネシア
ジャカルタ──インドネシア保健省は16日、高病原性鳥インフルエンザによる死者を、新たに2人確認したと発表した。同国における鳥インフルエンザ死者は、これで世界最多の105人に達した。

保健省によると、首都ジャカルタ南部の3歳男児が15日に、中ジャワ州の16歳少年が16日に、それぞれ死亡。2人とも、H5N1型ウイルスの感染が確認された。

死亡した16歳少年は、近所で鳥インフルエンザに感染したと見られるニワトリの処分作業を手伝ってたという。作業を終えてから、今月3日に咳や呼吸器系疾患の症状が出始ており、鳥インフルエンザにかかったニワトリに接したことから、感染したと見られる。

一方、3歳男児の感染経路は分かっていない。

世界保健機関(WHO)によると、今月15日現在の鳥インフルエンザ死者は、全世界で227人。このうち、インドネシアが103人と世界最多となっている。

また、2007年以降の死者数は、インドネシアが突出しており、特に今年に入ってからは、インドネシア以外での死者はなく、感染者もベトナムの2人以外は確認されておらず、インドネシアにおける鳥インフルエンザ対策が、いっこうに進んでいない状況を示している。

CNN/AP
2008年
2月18日
新型インフルエンザ
鳥から人への感染が拡大している鳥インフルエンザ(H5N1型)のウイルスが変異し、人から人に容易に感染するようになる状態。ほとんどの人が免疫を持たないため瞬く間に大流行する可能性が高く、日本政府は国内で最大約2500万人が感染し、約64万人が死亡すると予測している。20世紀に大流行したインフルエンザは、スペイン風邪(1918年)、アジア風邪(57年)、香港風邪(68年)の3回。香港風邪から40年が経過し、大流行の懸念が強まっている。

[鼓動]中国新型インフル警戒 北京五輪開幕まで半年 発生「最悪で中止」 当局の情報隠しを懸念
(2008年2月18日掲載)

 8月8日の開幕まで半年を切った北京五輪の課題は多い。冷凍ギョーザ中毒事件で再びクローズアップされた「食の安全」、車の排ガスなどによる大気汚染、反政府活動家らによる暴動・テロ…。だが中国政府・共産党が最も恐れているのは人から人に感染する「新型インフルエンザ」の発生だ。最悪の場合「五輪中止」もあり得るとされる最大の懸案を検証した。

 (北京・傍示文昭)

 ◆記者会見で混乱

 中国衛生省は1月10日、中国国内で初めて人から人への鳥インフルエンザ感染が確認されたと発表した。だが、その発表内容や、発表までの経緯には「できれば発表したくない」という政府の思惑がにじみ出ていた。

 江蘇省南京市で昨年11月、男性(24)が鳥インフルエンザに感染し、12月2日に死亡。男性の父親(52)も翌3日に発熱症状などで入院し、鳥インフルエンザ感染が確認された。この際、衛生省の毛群安報道官は「2人とも病気で死んだ家禽(かきん)類との接触歴がなく、感染ルートは不明」としながらも「人から人への感染ではない」と明確に否定するなど、不可解な説明に終始した。

 人から人への感染確認を発表した1月の記者会見も同じだった。毛報道官は「父親は息子との密接な接触によって感染した」と述べる一方、「家禽類から人への感染プロセスと非常によく似ている。ウイルスに変異はない」と、新型インフルエンザによる感染でないことを強調した。

 毛報道官は、さらに「みんなが心配している人から人への感染ではない」とも付け加えたため、記者たちは混乱。「じゃあ一体どうやって感染したんだ」などと厳しい質問を浴びせられた。

 ◆「民族100年の夢」

 「できれば人から人への感染を認めたくないという思いがにじみ出た会見。北京五輪に悪影響が出ることを恐れ、今後も当局が新たな患者の発生を隠す可能性がある」

 有力中国紙の記者は、こう指摘する。中国当局には2003年春に新型肺炎(SARS)が大流行した際、当初患者数を過小報告していた“前科”がある上、北京五輪という「中華民族にとって100年の夢」(郭金龍北京市長)を控えているだけに、情報隠しの懸念はより強いというわけだ。

 鳥インフルエンザが人から人に感染し、死者が出たのは、これまでにもインドネシアなど東南アジアで数例報告されている。にもかかわらず中国政府が人から人への感染にこれほど過敏に反応したのは、このウイルスが人にうつりやすい突然変異した新型インフルエンザと確認されれば、一気にパンデミック(世界的流行)になることが心配されるからだ。国連のデービッド・ナバロ調整官(鳥インフルエンザ担当)は、新型インフルエンザが流行すれば最大1億5000万人が死亡する可能性があると指摘している。

 「中国で第一号が確認されれば『五輪が開催できる環境ではない』などの意見が出るのは間違いなく、当局にとって情報を隠してでも五輪を成功させたいとの誘惑は非常に大きいだろう」。中国紙記者は情報が隠される背景を分析する。

 ◆爆発的な流行も

 新型インフルエンザがひとたび発生すると、航空機や船、鉄道などでの人の移動によって空気感染し、爆発的に流行する可能性が高いことから、北京の外交筋は「発生国がどこであろうと、大勢の人が行き来する国際イベントはすべて中止されるだろう」と予想する。当然、北京五輪も例外ではないという。

 鳥インフルエンザの流行は東南アジアを中心に拡大の勢いを増している。人への感染が増えれば、それだけ新型に変異する危険性が高まる。

 「現時点で勢いを止める方策はなく、五輪閉幕まで発生しないよう祈るしかない」。北京の外交筋は率直な思いをこう話した。

西日本新聞
2008年
2月18日
鳥インフル死者、今年に入って3人目
 死んだニワトリを食べて鳥インフルエンザにかかった北部ニンビン省の男性(27歳)が15日、治療を受けていたハノイ市内の病院で死亡した。鳥インフルによる死者は今年に入って3人目、通算では50人目となる。

 現在、家禽類の間で鳥インフルが流行中と公表されている地方は北部のクアンニン省とタイグエン省、北中部クアンビン省、メコンデルタ地方ロンアン省の4省だが、今年の死者3人はこれらのいずれの地方の在住者でもなく、北部のハイズオン省、トゥエンクアン省、ニンビン省の在住者だ。また、鳥インフル感染が疑われている複数の患者が現在治療中という。

ベトナムニュース
2008年
2月18日
新宿で「新型インフルエンザに備える訓練」−トリアージ訓練も
新宿区保健所(新宿区新宿5、TEL 03-5273-3859)は2月15日、「新型インフルエンザの国内発生に備える訓練」を同所屋上で実施した。

 新型インフルエンザウイルスは、動物のインフルエンザウイルスが人に感染し、人から人へ爆発的に感染する恐れのあるもので、現在は特に鳥類からの感染が危険視されている。今回は、日本国内で新型インフルエンザのパンデミック(大流行)のリスクが高まったという状況を想定し、新宿区職員、新宿区医師会の医師、四谷消防署員らが、トリアージ(大事故、大規模災害など多数の傷病者が発生した場合に救命の順序を決めるもの)訓練などを行った。

 莫大な昼間人口を抱えている新宿は、実際の被害想定が難しく、「危機管理やパニックの対処などは国の政策と共同して行っていくもの」(同区予防課)だが、まずは医療現場での手順の確認・対処法構築のために、「専門分野の訓練を行った」(同)という。

 同課は「新型インフルエンザの猛威を想定すると、国が滅亡して新宿だけ生き残るということはありえない。今後は国の機関と連動した対策を考慮しつつ、広報活動などを重視してすべての人に危機意識を持ってもらうように心がけていく」と話している。

新宿経済新聞
2008年
2月17日
けいざい百景 新型インフルの対応急げ
編集委員 安部順一
 「200X年、新型インフルエンザの発生国から帰国した会社員の感染が判明し、国内感染が始まる。2か月半後には医療従事者に死亡者が発生し、電気やガス、水道事業者でも感染者が増加、ライフライン(生活物資補給路)の維持が危惧(きぐ)される状況に陥る」
 映画やドラマではありません。政府が昨年秋行った新型インフルエンザ対応総合訓練のシナリオです。
 鳥インフルエンザウイルスが変異し、人から人に感染する新型インフルエンザ発生への懸念が強まっています。世界で4000万人が死亡した1918年のスペイン風邪のような大流行が心配されており、政府は最悪の場合、国内で200万人が入院し、64万人が死亡するとみています。
 新型インフルエンザは大地震並みの「災害」なのです。しかも、大地震なら発生時の被害が最大ですが、この災害は初期の封じ込めに失敗すれば、時間がたつほど被害が拡大します。
 入院に至らなくても国民の4人に1人が感染し、流行は2か月も続くとされる中で、感染拡大を防ぎながら、どう国民の生命や生活を守るのか、問われているのは有事の危機管理です。
 政府の「新型インフルエンザ対策行動計画」と指針は、国民に外出自粛を要請する一方、最低限の社会・経済機能を維持し、その間に治療方法を確立する戦略が基本です。企業にも対応を求めていますが、企業は戸惑いを隠せません。
 なぜなら、どのような機能を守るべきか、具体的に示されていないからです 医師が感染したら、治療どころではありません。政府は医療や社会機能維持に携わる人に、一定の予防効果を期待したワクチンを優先接種する計画です。
 しかし、「社会機能維持者」については、消防士や警察官など治安維持関係者、電気や水道、ガス、食料販売などライフライン関係者、鉄道やバス、貨物など輸送関係者−−といった例示があるだけです 例えば、食料販売で最低限維持すべき機能は、スーパーかコンビニエンスストアか、一般の食料品店かが決まっていません。貨物でも、宅配便はどうするのかなどの問題があります。
 ワクチンは年度内に2000万人分が備蓄される見通しですが、政府が維持すべき機能の優先順位を決めて、具体的な配分を示さないと、企業が行動計画を作ってもワクチンが届かず、画餅(がべい)となりかねません。
 「発電所を少人数で維持するには、労働時間を定めた労働基準法を一時緩和する必要があるが……」
 詳細な行動計画作りを進める東京電力の議論で浮かんだ疑問です。対応するには、様々な法律との関係を整理する必要もあります。
 ガソリンの暫定税率ばかりが重要なのではありません。国民の権利を一部制約する措置すら検討課題となる新たな有事にどう対応すべきか、国民的な議論は欠かせません。政治の行動が今求められています。

読売新聞
2008年
2月17日
アテナちゃんの教えて! エマージングウイルス 出現する背景に人間の活動 エイズや新型インフルエンザの原因
 エイズ(後天性免疫不全症候群)やエボラ出血熱、SARS(重症急性呼吸器症候群)など、20世紀後半から次々に現れた重大な感染症のほとんどは動物由来で、ウイルスが原因のものが多いって聞いたわ。鳥インフルザウイルスの変異で新型インフルエンザの発生も心配されているわね。
(須田桃子が取材しました)

 アテナ 人と動物の両方がかかる病気ってあるの。
 須田 「人獣共通感染症」と呼ばれています。病原体はウイルス、細菌、カビなどで200種類以上。一方、20世紀後半から登場したエイズなど、新しく出現した感染症を「エマージング感染症」と言います。

 アテナ 2つの関係は。
 須田 山内一也・東京大名誉教授(ウイルス学)は「社会に大きな影響を与えているエマージング感染症のほとんどは、ウイルスが原因の人獣共通感染症」と話します。エマージング感染症の病原体「エマージングウイルス」の自然宿主のほとんどは、野生動物です。

 アテナ 自然宿主って?
 須田 山内さんは「自然界でウイルスが存続する場となっている動物」と説明します。たいていのウイルスは、自然宿主では病気を起こさず、起こしても宿主を死なせません。

 アテナ 他の動物は、なぜ重症化したり死んでしまうの。
 須田 よく分かっていませんが、異物を体から排除する免疫のバランスが崩れることが考えられます。ウイルスが侵入すると、免疫の働きで炎症が起きてウイルスを排除しようとします。人にとって未知のウイルスだと、重い炎症になることがあります。

 アテナ 鳥インフルエンザウイルスの自然宿主は?
 須田 野生のカモです。北海道大の喜田宏教授(獣医微生物学)は「ウイルスはカモの腸で増殖するが病気を起こさず、1週間以内に排せつされる」と説明します。喜田さんらはカモが夏を過ごすアラスカやシベリアの湖沼の水に1ミリリットルあたり何百個ものウイルスが含まれ、冬の間、湖沼で凍結保存されることを突き止めました。カモは渡りによってウイルスを運ぶのです。

 アテナ 新型インフルエンザの発生の仕組みは?
 須田 鳥のウイルスの表面にあるたんぱく質のトゲは、人の細胞には取り付きにくく、鳥のウイルスが人に直接感染することはまれです。ところがブタには、人と鳥両方のウイルスが感染します。喜田さんは「ブタが鳥のウイルスと人のウイルスに同時感染すると、ブタの細胞内でウイルス遺伝子が混じり合い、人に感染する新型のウイルスが生まれる」と話します。実際、過去の「新型」インフルエンザはブタの体内でできたと考えられています。

 アテナ H5N1型の高病原性鳥インフルエンザはどう?
 須田 カモからガチョウなどに感染して低病原性を獲得したウイルスがニワトリに感染。大規模鶏舎などで6〜9カ月間流行すると、ニワトリへの高病原性を獲得することがあるとみられています。人への直接感染は、中国や東南アジアで見られ、4年間で200人以上の死者が出ていますが、まだ人同士で感染する能力はありません。

 アテナ いつ新型になるのか心配ね。
 須田 喜田さんは「H5N1型だけが新型インフルエンザになるとは限らない。ブタの監視を続けることと、効果的なワクチンをすぐ作れる体制を整えることが大事だ」と指摘します。

 アテナ 新しいウイルスは出てくるのかしら。
 須田 出現の背景には、交通手段の発達や野生動物の輸入、大規模で高密度な家畜の飼育などがあります。山内さんは「人間活動がエマージングウイルスの出現を引き起こすと認識し、公衆衛生対策を整えるべきだ」と話しています。

 「アテナちゃんの教えて!」は随時掲載します。「アテナ」はギリシャ神話に登場する知恵と技術の女神。女神にあこがれる好奇心いっぱいのアテナちゃんが、科学の謎をたずねます。

図表あり(mn3)
2008年
2月16日
社説:新型インフルエンザ 手抜かりのない危機管理を
 人から人に容易に感染する「新型インフルエンザ」の出現リスクが高まり続けている。
 インドネシアでは鳥インフルエンザウイルスの感染による死者が100人を超えた。全世界で確認されているだけで360人が感染し、そのうち6割以上が死亡している。実際はもっと多くの人が感染している可能性がある。
 ウイルスはまだ「鳥型」にとどまっている。だが、鳥のウイルスが蔓延(まんえん)するほど、「人型」の新型インフルエンザウイルスに変化するリスクは高まる。アジアなどニワトリと人が密接に暮らす地域での感染防御には、日本をはじめ世界が力を入れる必要がある。
 ただ、それでも新型インフルエンザの出現は避けられないと考えられ、大流行(パンデミック)を念頭においた備えが欠かせない。
 日本は新型対策のための「行動計画」と「ガイドライン」を策定している。これに基づき、抗インフルエンザ薬のタミフルを2800万人分、鳥型ウイルスから作ったプレパンデミックワクチンを2000万人分、今年度中に備蓄する。
 ただ、これで十分という考えには異論もある。不足すれば奪い合いになる恐れがある。タミフルに耐性を持つインフルエンザウイルスも出現しており、新型が出現した時の薬の有効性も気にかかる。
 プレパンデミックワクチンは医療従事者や社会機能維持に携わる人に投与することになっているが、具体的な投与の仕方はどうするのか。投与を受けられない国民が不満を感じることもあるだろう。新型出現後にウイルスを入手してワクチンを迅速に作る手立てや、接種の優先順位も重要な検討課題だ。
 医療機関の体制にも不安がある。通常の外来とは別に設置する「発熱外来」がすみやかに設けられるか。ベッドや人工呼吸器などの医療機器、医師や看護師などが十分確保できるかなどを点検し、着実に備える必要がある。企業や個人が備えるべき課題もあり、それぞれに準備しなくてはならない。
 政府は新型インフルエンザ発生時に、患者の強制入院や感染の恐れのある人の隔離などを迅速に行えるよう、感染症法と検疫法の改正案を今国会に提出している。ただ、人権にも配慮した隔離場所の確保など、具体的な検討課題は残されている。
 新型インフルエンザの大流行を描いたテレビドラマなどをきっかけに国民の関心が高まってきたが、これまで政府の対応は危機意識が薄かった。首相のリーダーシップも発揮されず、それが国民の心の低さにもつながっていたのではないか。新型インフルエンザは国の安全保障にかかわる課題であり、国民の命を守るため、国が一丸となって準備体制を整備することが欠かせない。

毎日新聞
2008年
2月16日
インドネシアで新たな鳥インフルエンザ死者・同国104人目
【2月16日 AFP】インドネシア保健省は16日、中ジャワ(Central Java)州ソロ(Solo)の病院で10日に死亡した少年(16)が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)に感染していたことを確認したと発表した。インドネシアの鳥インフルエンザによる死者は104人目。

 この少年は死亡する前の約1週間、発熱と呼吸困難、せきが続いていた。保健省によると、少年の自宅近くでニワトリが5羽死亡し、この少年が残りのニワトリを処分した後に発症したという。

 これとは別に、現地メディアはジャカルタ(Jakarta)に住む男児(3)が15日、鳥インフルエンザで死亡したと伝えている。この男児は、15日深夜にジャカルタのPersahabatan病院に運ばれたが、翌朝死亡した。男児の死因について、保健省はまだ発表を行っていない。

(c)AFP
2008年
2月16日
ベトナムで50人目の鳥インフルエンザ死者
 【ハノイ=長谷川岳志】ベトナム北部ニンビン省出身の男性(27)が鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し、14日ハノイ市内の病院で死亡したことがわかった。ベトナムで鳥インフルエンザによる感染死者は今年に入り3人目。2003年12月に初の死者が出て以来、合計50人目となる。農業・地方開発省によると今年に入り北部タイグエン省など全国4省で家きん類への鳥インフルエンザ感染が確認されている。

日本経済新聞
2008年
2月16日
トキ分散飼育に名乗り 長岡市
 新潟県長岡市は15日、トキの分散飼育の実現に向けて専門家らの研究会がまとめた「長岡市ト
キ保護増殖事業基本計画」を森民夫市長が19日に環境省に提出、正式にトキの分散飼育に名乗
りを上げることを明らかにした。

 事業計画は、市内の悠久山公園小動物園にトキ近似種の飼育ゲージや事務所を収容する広さ約
190平方メートルの平屋建て施設を建設、3ペア6羽程度を飼育して実績を積んだ上で、寺泊地域
内にトキを分散飼育する施設を平成22年から整備し、翌23年から分散飼育を始める構想。地理的
に近い佐渡トキ保護センターの指導を受けられるのが長岡市の計画の強みだ。

 トキの分散飼育は鳥インフルエンザ対策で、これまでに島根県出雲市、石川県が名乗りを上げて
おり、長岡市が3番目となる。

産経新聞
2008年
2月15日
新型インフル 発生の備えに万全を期せ
人から人へ感染し、世界的な大流行をもたらす新型インフルエンザへの危惧(きぐ)が強まっている。政府は、発生に備える感染症法と検疫法の改正案を国会に提出した。

 新型インフルエンザにつながるものとして最も懸念されているのが、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)ウイルスである。人に感染するだけでなく体内で変異し、人から人へと感染していけば、免疫を持っていないため爆発的に広がる危険性がある。政府は国内で最大六十四万人が死亡すると推定している。

 今回の法改正は新型インフルエンザが発生した場合に迅速な対応で感染の拡大を防ぐのが狙いだ。発生の確認直後から患者の隔離や入院の勧告が可能になるなど、エボラ出血熱やペストといった最も危険な「一類感染症」相当の措置がとれるようにする。

 航空機や船舶で患者の近くに座るなど新型インフルエンザに感染した恐れがある人が入国する際は、症状がなくても十日程度隔離できる。収容先は医療機関だけでなく、宿泊施設も利用できる。さらに、都道府県知事が健康状態の報告を求めたり、外出の自粛も要請が可能となる。

 鳥インフルエンザは、東南アジアを中心に感染が広がっている。世界保健機関(WHO)によると、死者は世界で二百二十人を超え、インドネシアでは百人を突破した。

 人が感染する機会が増えれば、それだけ新型が出現する危険性は高まる。人への感染を容易にする変異も見つかっている。さらに感染源が特定できていないケースも多い。昨年十二月、中国での父子間の鳥インフルエンザ感染も病気の家禽(かきん)類との接触は確認されていない。新型がいつ出現してもおかしくない状況が近づきつつある。

 感染の拡大する速さは流行初期の対応で大きく変わる。いざという時にパニックに陥らぬための備えが重要だ。政府は二〇〇五年に行動計画を策定し、インフルエンザ治療薬「タミフル」二千八百万人分の備蓄などを進めている。〇七年には自治体や医療機関、企業、家庭などでとるべき対策の指針もまとめた。

 しかし、タミフルなどの備蓄量は大丈夫なのか。ワクチンの効果や製造能力はどうか。予防や治療の体制が迅速かつ的確に機能するのか。気になる点は多い。各国との協調による情報の共有や拡大を防ぐ対策を強めるとともに、行政や医療機関など各分野であらためて行動計画や指針を検証し、問題点を洗い出し対処しておく必要があろう。見えない敵への危機意識と備えに万全を期したい。

山陽新聞
2008年
2月15日
社説:「新型」流行への備えは万全か
 新型インフルエンザの火種が東南アジアでくすぶっている。鳥インフルエンザ「H5N1」の人への感染例がじわじわ増えており、ウイルスが感染力をつけて「パンデミック」、つまり爆発的な流行につながる恐れが高まっている。政府は新型インフルエンザ対策として行動計画をつくったが、まだ万全とはいえない。いざというときに備え、政府や医療機関、そして企業も対策を再度点検し、強化しておく必要がある。
 世界保健機関(WHO)によれば、大流行が懸念されるH5N1の感染者はこれまで360人で、うち226人が死亡した。特に感染が止まらないのはインドネシアで、死者の累計は100人を超えた。人への感染例が増えればウイルスが人同士でうつりやすいタイプに変異する確率も高まるから、世界的な大流行が刻一刻と近づいていると、専門家は警戒を訴えている。
 日本は大流行に備え行動計画をつくり、治療薬の抗ウイルス剤やワクチンの備蓄を進めている。今年度末までに治療薬は2800万人、ワクチンは2000万人分を確保し、積み増しも検討している。感染者が続出すれば、医療機関だけで患者や潜伏期の人を収容しきれないので、ホテルなどの借り上げも検討するという。
 政府は医療機関や地方自治体、企業、家庭向けに発生時の対応指針もつくっている。だが、行動計画も指針も現実に即しているかが問題だし、周知徹底できなければ機能もしない。行動計画には、ワクチン生産能力の増強や素早い接種体制整備など、さらに検討すべき点も多い。与党も対策の点検に動き出しており、政府は実効性という観点から対策強化を怠ってはなるまい。
 大流行の事態になれば、市民の行動も制約される。感染拡大防止のため、患者や潜伏期が疑われる人に強制的措置もあり得るし、施設の確保に強権発動があるかもしれない。私権制限には熟慮も注意深さも必要だが、大流行を想定して法制度を詰めておく必要がある。
 備えや心構えは企業や家庭でも必要だ。新型インフルエンザ発生時や感染者と接触したり、感染した場合など、大流行時の対応をだれもが頭に入れておくべきだろう。

日本経済新聞
2008年
2月15日
クローズアップ2008 新型インフルエンザ発生の恐れ 予防策、決定打なく
毒性の強い高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)の人への感染がアジアを中心に拡大している。インドネシアでは感染による死者数が100人を超えた。家族内などでの「人から人への感染」も報告され、人への感染力が強い新型インフルエンザ発生への危機感がかつてなく高まっている。日本を含め各国が対策を急いでいるが、効果的な予防策は見当たらないのが現状だ。
【関東晋慈、ジャカルタ井田純、ジュネーブ澤田克己】

■ウイルス変異 強力に
 03年末以降、世界保健機関(WHO)に報告された感染者はインドネシアやベトナムなど14カ国で360人に達し、226人が死亡した。昨年12月には中国で、死亡した男性と父親の間で「家庭内での密接な接触」による「人から人への感染」が起きた。
 なぜ、人への感染が増えているのか。
 鳥インフルエンザウイルスは本来、ヒトの細胞にはくっつきにくい性質を持っている。現在は大半が鳥からの感染だ。しかし鳥の間で流行が続き、人への偶発的感染を繰り返すうちに、ウイルスの変異によって「人から人へ」の感染力が強い新型インフルエンザが出現する可能性がある。
 外岡立人(とのおかたつひと)・小樽市保健所長は「昨年12月から鳥インフルエンザが拡大傾向にあり、鶏に触れただけで感染した例もある。かなり人に感染しやすくなっているのは事実で、変異しつつあるのではないか」と懸念する。
 インドネシアでは、初めて感染者が確認された05年から昨年まで3年連続で2ケタの感染者・死者を記録した。今年もすでに9人が死亡し、死者数は103人にのぼる。感染症専門のスリアンティ・サロソ病院(ジャカルタ)のイルハム・パトゥ医師は「市民に『病気で死んだ鶏に触るのは危険だ』という認識がないのが最大の問題」と指摘する。
 家庭での養鶏が一般的なインドネシアでは放し飼いの鶏が珍しくない。同国政府は昨年2月、ジャカルタなどの住宅地での家禽(かきん)類飼育禁止を決めたが、立ち入り検査が行われたのは当初だけだ。
 タイ、ベトナムではインドネシアよりも先に患者が確認されたが、鶏の大量処分で感染拡大を抑えた。インドネシアでは、飼い主に十分な補償を払う予算がないために処分が徹底されず、ウイルス残存を許す結果になったとみられている。
 また、医師でもインフルエンザの知識が乏しく、正確な診断がされない場合もある。先月、ジャカルタ近郊で発症した32歳の男性は初めはデング熱と診断された。鳥インフルエンザと判明した時には手遅れだった。遺族は「適切な治療を受けていれば命は助かったはず」と告訴した。

■国民の1/4感染想定−−日本
 新型の流行に備えて政府は05年、行動計画を策定した。国民の4人に1人が感染し、最大約2500万人が医療機関を受診、約200万人が入院すると想定する。スペインかぜの致死率(2%)を基に最大約64万人が死亡すると推定している。
 計画では、ウイルスが特定でき次第、ワクチン製造を始め、全国民に接種する。ワクチン製造元の1つ、阪大微生物病研究会の多田善一・観音寺研究所シニアマネジャーは「フル稼働すれば半年後には供給を開始し、その後、1年以内に国民全員分を製造できるだろう」と話す。
 厚生労働省の専門家会議が策定した対策ガイドラインによると、まずワクチン接種を受けるのは、医師や救急隊員など「医療従事者」と、消防士、電気事業者ら「社会機能維持者」。その後に一般国民となるが、優先順位は状況に応じて判断するという=表。
 政府は鳥型ウイルスから作ったワクチン1000万人分、抗インフルエンザ薬タミフル2800万人分を備蓄。タミフルに耐性を持つウイルス出現に備え、別の抗インフルエンザ薬リレンザの備蓄を現在の60万人分から135万人分に増やす予定だ。
 だが、計画の甘さを指摘する声もある。国立感染症研究所の岡田晴恵研究員は「新型は致死率がスペインかぜよりも高い10〜20%となり、死者が200万人を超す恐れがある」と指摘する。

■必需品備蓄を
 新型が国内で発生した場合、どう対応したらいいのか。厚労省は「手洗いを励行し、不要不急の外出や集会を避けるなど、通常のインフルエンザと同じ予防策が重要だ」と呼びかける。
 家庭でできることは、2週間程度は生活できる食べ物、水、医薬品の備蓄。海外で大流行した場合も、輸入減少で生活必需品が不足する恐れがある。厚労省は「外出しないですむよう食料や日用品は準備しておく方がよい」と説明する。

■瞬時に大流行
 人類は20世紀、インフルエンザの「世界的大流行」を3回経験した。スペインかぜ(1918年)、アジアかぜ(57年)、香港かぜ(68年)だ。WHOは現状を「68年以降のどの時点よりも世界は大流行に近づいている」と位置付けている。
 WHOの「世界インフルエンザ事前対策計画」による警報フェーズ(段階)で現在は人から人への感染が「ないか、極めて限定的」という第3段階だ。しかし、現代は国境を越えた人やモノの動きが活発なグローバル化時代。新型が発生すれば数日で世界中にウイルスが広まると予測される。人から人への感染が「増加している」第4段階に突入したら「アッという間」に世界的大流行の第6段階まで進みかねない。
 WHOのハートル報道官は「ウイルスは常に変異を続けており、人から人への感染力をいつ持つようになるか予測するのは不可能だ」と話す。

【厚労省のガイドラインが定めるワクチン接種の優先順位】
@重症化や死亡を可能な限り抑えることに重点を置く場合
a 成人や若年層に重症者が多い場合
 医学的ハイリスク者→成人→小児→高齢者
b 高齢者に重症者が多い場合
  医学的ハイリスク者→高齢者→小児→成人

A日本の将来を守ることに重点を置く場合
a 成人や若年者に重症者が多い場合
  小児→医学的ハイリスク者→成人→高齢者
b 高齢者に重症者が多い場合
  小児→医学的ハイリスク者→高齢者→成人

図表あり(mn1a)
図表あり(mn1b)
2008年
2月14日
庄原市、新型インフルエンザに備え 対策本部設け訓練
 新型インフルエンザの世界的な大流行を想定した訓練が十二日夜、庄原市西本町の市ふれあいセンターであった。訓練では庄原市の滝口季彦市長を本部長とした対策本部を設置し、医療機関や警察などとの連携を確認。対策本部設置の想定は全国でも珍しい。

 国内初の感染者が関東地方で確認され、広島県が市町に警戒態勢を講じるよう要請した、との想定。滝口市長は庄原赤十字病院や庄原署、庄原消防署など六機関のトップたち八人を招集し、対策本部を設けた。

 医療機関はインフルエンザ外来専用の医療機関設置の必要性を進言。庄原署は混乱防止のためのパトロール強化、庄原消防署は救急チーム編成について手際よく報告した。滝口市長は迅速な対応を指示した。

 訓練は、庄原市医師会、三次地区医師会、県備北地域保健所が主催。防護服やマスクなどを着脱する実演もあり、県北の医療関係者たち約二百人が参加した。(梨本晶夫)

中國新聞
2008年
2月14日
JTBと日本渡航医学会、新型インフルエンザ対策セミナーで注意を喚起
ジェイティービー(JTB)と日本渡航医学会は2月14日、企業の業務渡航や人事などの担当者、大学などの事務担当者らを集め、「海外渡航における新型インフルエンザ・麻疹(はしか)対策セミナー」を開催した。セミナーでは、新型インフルエンザや麻疹など感染症の基本的知識の紹介や、渡航前の注意点、新型インフルエンザの爆発的流行時の対応などについて説明した。

 インフルエンザでは、鳥インフルエンザと新型インフルエンザを分け、鳥インフルエンザは、基本的には感染力は弱いが、感染源の鳥、鳥の死骸に近づかないことが大事という。また、「自分だけがかからない」という意識を持たないことが重要だ。一方、新型インフルエンザは鳥インフルエンザが人間に感染しやすく変異したもの。流行は「必ず起きる」と研究者が口を揃えており、事前に対策を練り、他の感染症も含めた危機管理の基盤を作ることがポイントという。新型が流行した場合、基本的には日本に退避させることが最良だが、退避のタイミングを計るには、情報を迅速に収集する必要があり、国際感染症学会のウェブサイトの活用を提案した。

 麻疹については、日本が発展途上国並みの発症率で「麻疹輸出国」と呼ばれ、麻疹をほぼ根絶した国に影響を与えていることを紹介。海外渡航者は、渡航前に抗体(麻疹への免疫、抵抗力)があるかを検査し、ない場合はワクチンを接種、抗体を証明する英文証明書を作成してもらい携帯すべき、とした。

 また、海外旅行保険の申し込み時には、旅行変更費用特約の契約を勧めている。これは、旅行者が感染者でないにも関わらず、感染の疑いから帰国が認められない場合には、宿泊費や航空券などの料金が支払われるもの。また、新型インフルエンザの流行時には、患者を運ぶチャーター機材など費用が高騰する可能性があり、治療費と救援者費用は惜しむべきではないとした。

 なお、セミナーに出席した日本旅行業協会(JATA)業務部業務第1グループマネージャーの林俊介氏は、旅行業界には「旅行者が取り残されないことが一番重要。どのタイミングで引き揚げるかが課題だが、横並びの風潮もあり判断が難しい。場合によってはJATAのガイドラインの見直しも検討する」とコメントした。

Travel vision
2008年
2月14日
鳥インフルで49人目の死者
 保健省は13日、北部ハイズオン省在住の男性(40歳)が鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)に感染して死亡したと明らかにした。男性は今月2日から8日にかけてニワトリと接触、インフルエンザの症状が重くなってから病院に運び込まれ、13日午後に死亡した。ベトナムの鳥インフルによる死者は49人目。

ベトナムニュース
2008年
2月14日
【インドネシア】米危機管理社、流感大流行の影響理解を
 米危機管理コンサルタントのアイ・ジェット・インテリジェント・リスク・システムズは、新型インフルエンザの大流行が企業に与える影響を理解する必要があると注意を呼びかけている。モニタリングと対策の計画を策定することは、「緊急的に必要」としている。
 
 同社は、世界大流行監視を手掛けており、世界の80%の政府が高病原性鳥インフルエンザ(H5N1)と新型インフルエンザの大流行時の国家計画を策定していることは評価できるものの、医療以外のサービスについての脆弱(ぜいじゃく)さに関心が払われていないことが多いと指摘。企業経営者に対しては、サプライチェーンや提携先まで注意を払う必要があるとした。
 
 昨年に鳥インフルエンザのヒト感染が新たに確認されたのは5カ国と、2006年の40カ国に比べ少ないものの、特に世界の死者の7割を数えるインドネシでは感染に歯止めがかかっていないと説明。世界的なH5N1ウイルスの撲滅努力が奏功するのは先になると見通した。
 
 ■感染127人に
 
 保健省は13日、西ジャカルタ在住の14歳の少女の鳥インフルエンザ感染を確認したと発表している。少女の母親の感染が先ごろ確認されているものの、感染源は鶏とされた。
 
 国内の感染死者数は103人で致死率は81.1%となっている。

NNA
2008年
2月14日
富士フイルムと大正製薬、富山化学を買収、新型インフル治療薬で協力
富士フイルムホールディングス、大正製薬、富山化学工業の3社は2月13日、戦略的資本/業務提携に合意した。富士フイルムと大正製薬が共同で富山化学を買収する。富山化学が開発するインフルエンザ治療薬「T-705」の安定供給体制を構築し、世界的流行(パンデミック)の恐れがあるH5N1型を含む新型インフルエンザに対応する。

2月末に富山化学が約300億円の第三者割当増資を実施し、富士フイルムが198億円、大正製薬が102億円を引き受ける。また2月19日―3月18日に、富士フイルムが富山化学の株式を1株あたり880円で公開買い付け(TOB)する。買い付け予定数の下限は7319万株。

これにより富士フイルムと大正製薬は、合計で富山化学株の3分の2以上を取得する。その後はTOBに応じなかった株主に金銭を交付して残分を取得し、富士フイルムから大正製薬に一部株式を譲渡する。富山化学の最終的な出資構成は、富士フイルムが66%、大正製薬が34%になる予定。

富士フイルムは現在、医療機器開発に加え放射性医薬品や医薬品原薬/中間体に事業を広げており、富山化学の買収により医療用医薬品事業に本格参入する。大正製薬は2002年に富山化学へ約20%出資し、合成抗菌剤を共同開発しているが、今後は出資比率を引き上げ、感染症や炎症/免疫分野の共同研究開発体制を強化する。

富山化学は、富士フイルムから技術や人材の提供を受け、開発中の新薬の治験期間を短縮する。また富士フイルムと大正製薬の両社から資金のほか生産体制、海外販売網の構築で支援を得る。

日経BP社
2008年
2月13日
新型インフルエンザでタミフル備蓄量2倍必要と指摘 与党チーム
 新型インフルエンザ対策に関する与党プロジェクトチーム(PT、座長・川崎二郎元厚生労働相)の会合が13日、開かれ、インフルエンザ治療薬タミフルの備蓄を2倍にする必要性を今後、検討していくことが決まった。

 国は「いつ発生してもおかしくない」といわれる新型インフルエンザ対策としてタミフルなど抗ウイルス薬の備蓄を進めている。現在、タミフルを治療用で2500万人分、予防用としては300万人分備蓄している。

 PTでは、国立感染症研究所から意見聴取が行われ、新型インフルエンザ患者の重症化を防ぐためには、現在、国が想定している処方量(1日2錠、5日分)を2倍以上にする必要があり、備蓄増強を検討していくことになった。処方量を10日間分に設定すると備蓄は半減するため、PT内で今後の備蓄計画を議論する。

 また、新型インフルエンザに感染した恐れがある人の足止めを可能とする改正検疫法と感染症法が今国会で審議されているが、成田空港周辺の宿泊施設で収容可能な人数は最大約7000人だと、検疫所から報告があった。

 仮に中国で発生した場合、成田空港では1日に約9000人が入国することから、収容しきれなくなった場合の対策もPTで話し合われる。

産経新聞
2008年
2月13日
インドネシアで新たに鳥インフルエンザ患者、同国127人目
【2月13日 AFP】インドネシア保健省は13日、高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)に感染し1日から入院している女性(38)の娘(14)も同型のウイルスに感染していることを確認したと発表した。同国では127人目の発症者となる。

 保健省と病院によると、母親は前月、H5N1型ウイルスの感染が確認され、1日からジャカルタ(Jakarta)市内の病院に入院し、容体は回復しつつある。娘は8日に母親と同じ病院に入院したが重体で、集中治療室(ICU)で人工呼吸器を付けているという。

 母娘は、ジャカルタの衛星都市タングラン(Tangerang)に隣接する西ジャカルタ(West Jakarta)のKaliderest地区に暮らしていた。保健省報道官によると、母娘の訪問した親戚宅の近所で家禽類が飼育されていた。

 鳥インフルエンザ感染はインドネシアで最も深刻で、これまでに103人が死亡した。今年だけで死者は9人に上り、いずれもジャカルタと周辺在住だった。

(c)AFP
2008年
2月12日
<養鶏>エサ代高騰などで国に緊急融資要望 鶏卵生産者協
日本鶏卵生産者協会は12日、「養鶏危機突破緊急全国生産者大会」を東京都内で開き、飼料価格の高騰などによる養鶏業界の窮状を訴えた。また、国の保証による500億円規模の緊急融資を求めることなどを決めた。

 大会には全国の生産者など400人近くが参加。梅原宏保会長が、飼料価格高騰などで業界全体のコスト増は1000億円以上になると指摘した上で、「鳥インフルエンザ、飼料の高騰、低卵価の三重苦でかつてない苦境。放置すれば産業の基盤が崩れる」と述べた。【位川一郎】

毎日新聞
2008年
2月12日
H5型ウィルス発見か、周囲の養鶏場など調査中―香港
11日、香港の漁農自然保護署によると、先日発見されたアオサギの死骸からH5型鳥インフルエンザウィルスと思われる病原体が検出された問題について、現在調査中という。

Record China
2008年
2月12日
迅速対応へ2法改正案提出 新型インフル対策で政府
大流行が懸念される新型インフルエンザに迅速に対応するため、政府は9日までに、新型インフルエンザに関する規定を新たに盛り込んだ感染症法と検疫法の改正案を決定し、国会へ提出した。

 新型発生が確認された直後から、患者の隔離や入院の勧告などの措置を取れるようにする狙い。エボラ出血熱やペストなどの「1類感染症」に相当する措置が可能となる。

 また症状がなくても、航空機や船舶で患者の座席の近くに座っていたなど「感染した恐れがある人」が入国する際に、10日程度隔離できる規定も新設。収容先として、医療機関だけでなくホテルなどの宿泊施設も利用できるようにした。さらに、都道府県知事が健康状態の報告を求めたり、外出の自粛を要請できたりする規定も盛り込んだ。

 一方、新型インフルエンザに変異することが懸念され、感染症法で指定感染症に位置付けられている鳥インフルエンザ(H5N1型)については、指定が6月に失効するため、改正案で新たに2類感染症に分類。引き続き患者の入院措置などを取れるようにした。

 新型インフルエンザは、毎年流行するのとは違うインフルエンザウイルスが、人に感染しやすい性質を獲得して発生。ほとんどの人が免疫を持たないため、世界で大流行すると心配されている。政府は発生した場合、最大で64万人が死亡すると推定している。

共同通信社
2008年
2月12日
鳥インフル対処策学び訓練
人に感染する新型への変異が懸念されている鳥インフルエンザ(H5N1型)の発生に備えた講演と訓練が、このほど安芸高田市吉田町のJA吉田総合病院であった。県の主催で、安芸高田市などの医療・保健関係者ら約140人が参加。講演では、渡り鳥の飛来経路が重なりウイルス拡散の危険が高まっていることなどが紹介された。養鶏場で発生した場合の対応策は、埋め立て処分が中心になるとの見方を示した。

中國新聞
2008年
2月11日
追跡 鳥インフルエンザ 大流行迫る「その日」 感染しやすく?歯止めかからぬアジア
新型インフルエンザへの移行が懸念されるH5N1型高病原性鳥インフルエンザの流行がアジアで拡大の勢いを増している。インドネシアでは人への感染による死者が100人を超え、インド・西ベンガル州やバングラデシュでは350万羽もの鶏を殺処分。それでも鳥の流行に歯止めがかからない。中国ではH5N1ウイルスの人から人への感染も報告され「いつ起きるか、時間の問題」とされる新型インフルエンザの大流行に向け導火線が一段と短くなってきた印象だ。

 「以前よりウイルスが人に感染しやすくなっているのではないか」
 世界の鳥インフルエンザ情報を集約し、自らのウェブサイトで日本語の要約を公表している小樽保健所の外岡立人所長は先月22日、東京・内幸町の日本記者クラブで記者会見し、こう語った。昨年12月から中国、パキスタン、インドネシア、ベトナムなどアジア各地でH5N1ウイルスの人への感染・死亡事例が報告されているからだ。
 外岡所長によると、最近は報告の中で感染源不明の発病者が2〜3割を占めている。H5N1はいまのところ、感染して弱っているか、死んだ鳥との「濃厚な接触」がない限り、人には感染しないとされているが、その「濃厚」の度合いが少し変わってきたのだ。
 「以前なら病鳥を調理したなどといった例が多かった。最近は発病した鶏に触れただけで感染したケースもある」
 こうした懸念を裏付けるかのようにインドネシアでは今年に入って死亡例が増加している。2005年に同国内で初の死亡例が報告されて以来、約2年半で死者数は103人。しかも、このうち9人は今年に入ってからのわずか1カ月ほどの報告である。
 H5N1が以前より鳥から人に感染しやすくなったとすると、人から人への感染もその分、成立の機会が増えると考えなければならない。
 中国の南京市では昨年末、鳥インフルエンザで死亡した男性と父親との間に、密接な接触で人人感染が起きた。保健当局が人人感染と認めたのは1カ月以上後で、早期封じ込めの観点から不安が残る。公式確認はされなかったが、パキスタンでも人人感染が疑われるケースがあった。
 インド・西ベンガル州と隣国バングラデシュの鳥の流行も深刻だ。西ベンガル州で300万羽、バングラデシュでも50万羽の鶏を殺処分したものの、流行はなかなか収まらない。
 これまでのところ、人への感染は報告されていないが、バングラデシュでは首都ダッカにまで鳥の感染が拡大しており、西ベンガル州でも1400万の都市圏人口を持つ州都コルカタへの飛び火が懸念されている。
 05年まで世界最多の死者を出していたベトナムは家禽(かきん)の大量殺処分などの思い切った対策が功を奏し、沈静化に成功したが、鳥の流行が再燃し、今年はすでに人の感染・死亡例も報告された。タイでも鶏の再流行が起きている。
 WHO西太平洋地域事務局、葛西健・感染症対策官の話「渡り鳥の活動が活発になり、毎年1月から4月にかけ家禽への鳥インフルエンザウイルスの感染が増加、人の感染例も増える。人がウイルスにさらされる機会も増えることから新型インフルエンザ発生のリスクも高まっているといえ、十分に警戒する必要がある」

▼H5N1
 インフルエンザウイルスには、大きく分けてA、B、Cの3つの型があり、このうちA型のウイルスはさらに、ウイルス表面の赤血球凝集素(H)とノイラミニダーゼ(N)という2つの物質(糖タンパク)の型により細分化されている。Hは1〜16の16種類、Nは1〜9の9種類に分かれていることから、その16×9の組み合わせでA型ウイルスはH1N1からH16N9までの最大144種類あるとされ、カモなどの水禽類はすべてもっていると考えられている。現在人間に感染するのはソ連型(H1N1)と香港型(H3N2)。H5N1は鳥のみに感染するウイルスと考えられていたが、1997年に香港で人への感染事例が確認された。さらに2003年以降は東南アジアを中心に世界各地で350件を超える人への感染例が報告されている。

産経新聞

図表あり(sk1)
2008年
2月11日
追跡 鳥インフルエンザ 強毒型 変異重ね 同時感染 人の通常ウイルスと交雑も
鳥のウイルスであるH5N1が人に感染し、深刻な症状をもたらすのはなぜか。水鳥からニワトリ、ニワトリから人へとH5N1が伝播(でんぱ)する過程をたどってみよう。
 そもそもH5N1ウイルスは野生のカモなどの渡り鳥に毒性がない形で存在していた。これらの水鳥(水禽(すいきん)類)が世界の湖沼を渡り、フンなどで汚染された水や土壌を通じて家禽であるニワトリへの感染が始まったようだ。この時点ではまだ、H5N1はニワトリに対しても毒性はないか、非常に弱かったと考えられている。
 しかし、インフルエンザウイルスの遺伝子は突然変異しやすい。ニワトリの間で感染を繰り返すうちに変異を積み重ね、全身感染を引き起こす毒性の強いタイプが残っていったとみられる。
 かつて、鳥のH5N1は人にはかからないとされていた。鳥のウイルスを細胞内に取り込む受容体が人にはなく、ウイルスが増殖できないと思われていたからだ。
 しかし、1997年に香港でニワトリにインフルエンザが流行した際、6人がH5N1に感染して死亡。さらに、2003年以降はタイ、ベトナム、中国などでも人の感染例が報告されるようになった。
 最近では人の肺の奥などに鳥のウイルスを細胞内に取り込む受容体が少数ながらあることがわかり、感染して死んだニワトリに直接、触るなど濃密な接触があると人にも感染する可能性があることが明らかになった。
 また、人と人の間でも看病していた家族にうつったケースなどが中国やインドネシアで報告されている。ただし、現在のところ、これらのケースはまだウイルスが鳥型のままで、人から人へと効率的に感染する新型には変異していないことが確認されている。
 H5N1が人への強い感染力を持つ新型に移行するのは、感染した人の体内で突然変異をおこすケースと、香港(H3N2)型などの通常の人のインフルエンザにかかった人が、H5N1にも同時に感染し、体内でウイルスがまざってしまうケース(交雑)の2つのシナリオが考えられるという。
 東南アジアにはブタとニワトリをともに飼育する家庭も多く、人と鳥の両方のウイルスに受容体があるブタの体内で同様の交雑がおこる可能性も指摘されている。

■人から人の感染ないか限定的 WHO6段階の警告表 現在はフェーズ3
 いつ出現するか分からない新型インフルエンザの流行に備え、世界保健機関(WHO)は「世界インフルエンザ事前対策計画」をまとめ、別表のような6段階のパンデミック(世界的大流行)警告表を作って各国に警戒を呼びかけている。現在はフェーズ3「人−人感染はないか、または極めて限定されている」の段階。1つのフェーズから他のフェーズへの移行を含め、フェーズ指定はWHO事務局長が行うという。
 WHOは現状について「WHOおよびその他の専門家は20世紀におこった3回のパンデミックの最後が発生した1968年以来のどの時よりも現在世界はインフルエンザパンデミックに近づいていると考えている」としている。
 表をみると「なんだ真ん中よりも手前じゃないか」という印象を持つ人もいるかもしれないが、フェーズ4以降は、人から人への強い感染力を持ったウイルスの出現を意味するので、フェーズ4→5→6と数日から数週間で流行が世界に拡大する可能性も考えておく必要がある。第1次大戦中に流行が始まったスペインインフルエンザの時代と異なり、現代は航空機で短時間に大量の人が国境を越えて移動しているので、人から人へと感染するウイルスが地球規模で広がるスピードもそれだけ速いからだ。

■1億5000万人死亡予測も
 鳥インフルエンザのH5N1ウイルスから新型ウイルスが発生した場合の被害はどうなのか。
 厚生労働省は平成17年に策定した新型インフルエンザ対策行動計画の中で、新型インフルエンザウイルスが発生・流行すれば、国民の4分の1が感染、約1300万〜2500万人が病院を受診すると推計。1918年のスペインインフルエンザの大流行での致死率(2%)をもとに計算し、2カ月間で最大64万人が死亡すると試算した。
 しかし、スペインインフルエンザのウイルスは弱毒型の鳥インフルエンザが